豊田倫理法人会　設立２周年記念講演会　続編

小学生の頃、千日回峰行のテレビを見て、

純粋に「行」がしたいと思い、

千日回峰行への憧れをもって

昭和６２年５月６日　奈良県吉野山　

金峰山寺に入山します。

その朝の母親が作ってくれた大根の

味噌汁味は今でも忘れないそうです。

毎年、春になると千日回峰行が再開され

３ヶ月目の梅雨明け頃になると体力が衰え一週間くらい決まって血尿が出たそうです。

行にはいったら体調は、”いいか悪いか”ではなく常に”悪いか最悪か”で中でも５００日

に近くなった頃は体調が最悪で５０メートル進んでは下痢、１００メートル進んでは下痢

というありさまでした。少し歩いたところで、３メートルくらい飛ぶようにして転んでしまい

ました。「あぁ、とうとう終わりか。体の力も抜けて前に進むことができない。

体が全く動かず、倒れたまま寝ていると気持ちが良いがここで腹を切るのか」と覚悟し

かけた時、ふと心にご自分の人生のいろいろな場面が走馬灯のように甦ってきました

ふと、母親が言っていた「どんなに辛くても苦しくても、岩にしがみついてでも、砂を噛む

ような思いをしてでも立派になってきなさい」という言葉を思い出し、それがどういうもの

なのかと目の前にあった砂を実際に自分の舌で舐めてみました。

噛めば噛むほど変な感触を味わっているうちに正気に戻ってきて「今、こうしていられ

るのも皆さんのおかげ。もう一度みんなのために歩きだしてみよう」と涙と鼻水を流し

ボロボロになって歩きはじめたのです。そのうちだんだん気持ちに火がついてきて

高熱は変わりないものの遅れた時間を取り戻そうと走りだしていつものように午前

８時３０分に山頂に着いたそうです。千日のうち一番苦しかったこの１０日間を過ぎ

ると限界を超えたようでだんだん回復に向かっていきました。

この続きは続編の続編にします。

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