豊田市中央倫理法人会第445回経営者モーニングセミナー

豊田地区倫理法人会

2014年06月04日 21:23

豊田市中央倫理法人会第445回経営者モーニングセミナー

日時 ◆6月4日(水)午前6時から7時
会場 ◆名鉄トヨタホテル 7F
講師 ◆豊田市南倫理法人会 会員
     大橋園芸 代表
              大橋 鋭誌 氏
テーマ◆「農業と子女名優」


豊田市南部の東名豊田ジャンクション周辺一帯に広がる水田の作業受託や野菜苗生産の農業の複合経営をはじめ、仏料理店「レクラ・ド・リール」(東山町)オーナーの大橋鋭誌さん=鴛鴨町畑林。TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)や全中解体などが叫ばれる厳しい環境の中、「農業は究極は国防。我々が守っていく自負と誇りで次代を担う子孫へ受け継いでいきたい」と田植えを終え、真っ黒に日焼けした顔に瞳を浮かべる。
 「祖母にウバ車で畑に連れられ、日が暮れるまで畑にいたのが農業の原風景」と話す。当初跡を継ぐ意思はなく、地元の普通科、豊野高へ進学。兄が大学の建築学科に進んだこともあり、高3の入試直前ギリギリまで悩んだ挙句、後を継ぐことを決めた。「自分、周囲、さらに世界にとって何が自分に合っているのか考えたとき、身近な農業の重要性に気付いた」と振り返る。
 父の勧めで大手種苗会社「タキイ種苗」が運営する1947年設立の2年生専門学校(滋賀・湖南市)に進学、全国の後継者と研鑽を積み人脈を作った。学科は水曜のみで、残りはすべて実習。70㌶(甲子園球場180個分)の研究農場で鍬を担ぐ日々。「凍った畑を、野菜が傷がつくからと素手で掘る。大変な2年間だったが、基礎を学んだお蔭で今の自分がいる」と話す。
 家業を継いでからは父のことを真似たが、売上が伸びず、翌年借金をしてハウスを増設。後継者不足や高齢化で手放したい人の農地を借り増産。JAが扱う店舗も2店舗から順調に伸びた。さらに、もっといい商品を提供したいと高度な接ぎ木を改良し、ライン作業を導入し数量を増やした。
 現在、野菜苗を春45万本、秋15万本、花苗1万本、水稲育苗8000枚を生産する。
また、新たな取り組みにもかかわった。魅力ある農業をと豊田・みよし地区の若手農家らと10年9月、「夢農人とよた」を結成。軽トラ市やカタログギフトの作成、加工商品開発、食育活動などを展開し、ブランド力構築に情熱を注ぐ。「地産地消という言葉ばかりが言われるが、同じ気候で育った野菜を食べることで人間の健康が宿る仏教用語の『身土不二』の精神が根本にないと意味がない」と訴える。
国防や地産地消を守るべく4人の若者が就農するが、「人育てと家族を養えるだけ稼げるようにするのが私の役目」と将来を見つめる。


 中村勝彦副会長
  「暑い日が続いているが、自然を相手に仕事をしている大橋さんは尊敬する。人間相手とは違うが、文句は言われないが、大変な仕事。きっとためになる話を聞かせてくれるでしょう」


 出席者数 51社 60人



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